パパは骨董品屋さんである

『お父さんは骨董品屋さん』、

小学校1年生の頃に、私が書いた作文のタイトルで、原稿用紙八枚ほどの文章であったと思う。

 

七才の少年が、稼業について赤裸々に語ってしまったことが面白かったのかもしれない。

その作文が担任の先生の目に留ってしまった。

作文の発表にむけて、放課後に「話し方」の猛特訓の日々が始まった。

ついに三千字の文章をすべて暗記し、全校生徒の前で発表したことを微かに覚えている。

 

後にその作文が新聞に掲載されたらしい。

三十数年前の少年の作文は、今でも検索できるのだろうか。

 

私は三児の父となった。

八才の長女、七才の次女、四才の長男。

子供たちは、食事の際の席替えを頻繁に行っている。

どうやらパパの隣の席を敬遠しているらしい。

「だってパパは臭いから!」

と、冷たく言い放つ。

 

まずい、

このままでは子供がこれから書くであろう作文のタイトルは、

「パパは臭い」になってしまう。

ちびっ子たちに誇れる骨董品屋さんにならなければ。

 

『パパは骨董品屋さんである』。

 

(三十数年前の写真 祖父と私と弟 父の店・ひぐらし古民芸店の店先)